★ ベートーヴェン 交響曲第2番二長調 ★

今日は少し元気を貰いたくて、ベートーヴェンで勇気を摂取しようと思う。
交響曲では初期の作品であるが、ベートーヴェンの青春の輝きとハイリゲンシュタットの影が微妙に投影された魅力的なシンフォニーだ。

この曲が作曲されたのは1800年から1802年かけてで、弟に宛てて書かれた有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」をしたためた時期に合致する。
この曲の持っている闊達なイメージと遺書という暗いトーンは、そのアンバランスさに少し驚くことなのだが、私は聴覚の異常を憂うマイナスオーラを「遺書」に封じ込めて、同じペンからこの曲を書き上げ、生きる力を引き出そうとしたのではないかと感じている。

〇 背筋が伸びる第1楽章 〇
第1楽章はかなり凝った序奏から始まるソナタ形式。
主調の堂々たる和音の強奏、効果的な転調、主部を導くこの序奏はベートーヴェンの後期作品を思わせる大胆なものだ。
とてもリズミックな第1主題には心が躍動し始め、弱奏管楽器による長調のメロディと強奏弦楽器による短調の応答による対話が面白い第2主題が呈示される。
私はこの第2主題を聴くととても勇気付けられて背筋が伸びる思いがする。
今日はここが聞きたくて、この曲をチョイスした。

〇 美しいラルゲット 〇
第2楽章はベートーヴェンの作り出したメロディの中でも、非常に歌謡性の高い美しい旋律が奏でられる。
死まで考えた自らの心の安寧を祈るような緩徐楽章になっている。

〇 スケルツォの登場 〇
ベートーヴェンが交響曲のスコア上に始めて「スケルツォ」と記述した楽章になる。
しかし、以前の当ブログの記事でも触れたが、第1番のシンフォニーにおけるメヌエット楽章も実質的にはスケルツォだと思っているが。
独特のリズムの音型をもったスケルツォで、3種類の短いモティーフを楽器を変えて絡ませながら進んでいく。
とても面白い楽章だ。
なるほど、諧謔曲だと言えるだろう。

〇 飛躍する終曲 〇
これまで重ねてきた躍動感はこの楽章で頂点を迎える。
さすがベートーヴェン、楽曲の纏め方が巧みだ。
ベートーヴェンを聞くといつも思うのだが、何故西洋音楽は何楽章もあって、しかもそれを作曲家の指定通りの順番で聴かなければならないのか・・、ベートーヴェンの終曲を聴くととても納得する。
重ねてきた熱い想いがここに収斂するかのように纏められていく。
恐らくこうした見事な構築美に、人は人生の積み上げを重ね合わせて感動するのだろう。


<今日の一枚>
今日はブロムシュテットでいこう。
ブロムシュテットは、良い意味で非常に堅い演奏を聞かせてくれる。
この人のリハーサルはとても厳しいことで知られているが、派手な演出を排除した、妥協の無いベートーヴェンには飽きがこない。
■ベートーヴェン:交響曲第2番&第4番
 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 シュターツカペレ・ドレスデン


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<推薦盤1>
この曲の推薦盤となると、少し古い録音なのだがワルターが良い。
全曲に渡って、リズムも各声部の歌わせ方も理想的に思える。
第2楽章は少し遅いテンポで、たっぷりと美しいメロディを堪能させてくれる。
録音は古いが音質は良好だ。
■ベートーヴェン : 交響曲第2番、第6番「田園」
 ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団


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2013.11.14 Thu l ベートーヴェン l コメント (0) トラックバック (0) l top

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