★ メンデルスゾーン 無言歌集 ★  
フェリックス・メンデルスゾーンの無言歌集、可憐なピアノ曲集ですね。
早世の天才メンデルスゾーンが、その創作活動の全期間に渡って紡ぎだした48曲のピアノ曲です。
第1巻~第8巻まで、それぞれ6曲づつ。
中でも有名なのが第5巻の6曲目『春の歌』ですね。
明るい曲の多いメンデルスゾーンの中でも、春の暖かい日差しの中で踊るような曲調で、これからの季節ぴったりです。


○ 無言歌集の構成 ○
第1巻 作品19 6曲 
第2巻 作品30 6曲
第3巻 作品38 6曲
第4巻 作品53 6曲
第5巻 作品62 6曲 ここの6曲目が有名な『春の歌』
第6巻 作品67 6曲
第7巻 作品85 6曲
第8巻 作品102 6曲
今朝はこのうち、第1巻と第2巻の3曲目辺りまで聞きながら地下鉄に缶詰になっていました。1曲1曲は2~3分と短いので通勤途上の駅間にほぼシンクロしてなかなかリズミカルだったりします。
最初の曲が 1.ホ長調、(アンダンテ・コン・モト)で、ここから明るいです ねー。
「甘い思い出」という副題がついていますがこれはメンデルスゾーンの命名ではありません。出版社かな?
メンデルスゾーン自身はこうした副題に曲のイメージが縛られるのを嫌ったらしいですが、第1巻6曲目の「ヴェネツィアの舟歌」のように、自らが命名したものが全部で5曲あります。
有名な『春の歌』は、楽譜の初めに Frühlingslied genannt(春の歌のように) という発想標語をメンデルスゾーン自身が書き込んだことによるものだそうです。
これは明確に作曲家自身が春の歌をイメージしたことになります。
頷けますよね。


○ 19世紀前半ヨーロッパのブルジョアジー ○
この曲が作曲された頃のヨーロッパのブルジョア階層では、家庭にピアノがあるのがブーム。
金持ちのステイタスだったのでしょう。
そこで、良家の子女がピアノを学ぶ為の比較的演奏が容易で、親しみやすい曲の需要があった、ということでしょう。
当時の音楽家の収入の一つに楽譜代というのがあって、現在のような音楽著作権収入というものが確立していないその頃は、出版社の要請もあってそうしたピアノ小品が数多く世に出たのだと思います。


○ シューベルトのアンプロンプチュとの関連 ○
このように19世紀前半には、こうしたピアノ小品が好んで作られたようです。
これは、やはりシューベルトのアンプロンプチュが契機になったのではないでしょうか。
メンデルスゾーンもシューベルトの甘美な8曲を大いに意識していたのだと思います。
今年のように寒さが続くと、いよいよ『春の歌』が恋しくなってきますね。


【メンデルスゾーン 夏の夜の夢】
夏の夜の夢
【メンデルスゾーン ピアノ協奏曲第1番】
ピアノ協奏曲第1番
【メンデルスゾーン ピアノ協奏曲第2番】
ピアノ協奏曲第2番



今朝の一枚は、日本ではあまり馴染みのないピアニストでフランク・ヴァン・デ・ラールのメンデルスゾーン『無言歌集:全曲』です。(1999年~2000年録音盤)
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無言歌集の全曲アルバムってあまりないんですよね。
ですから、私には貴重な全曲集でもあります。
これはブリリアントという廉価版でちょっと有名なレーベルから出ています。



もう一枚、こちらはダニエル・バレンボイムの『無言歌集:全曲」
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こちらも貴重な全曲。(+αで数曲)



フランク・デ・ラールは『春の歌』もテンポは遅めで、優雅に舞う蝶々を思わせる演奏です。
バレンボイムの『春の歌』は早いテンポで快活な気持ちで春を満喫する情緒。
バレンボイムの方が全体にタッチも鮮やかで明快です。
デ・ラールはソフトなキータッチで録音も少し残響が多く感じます。
しかし、メンデルスゾーンの無言歌集にそこはかとなく漂う物憂さをうまく表現しているのはデ・ラールではないでしょうか。
作品67-2『失われた幻影』などは、デ・ラールの演奏はロマンティックです。



失われた幻影
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2013.02.26 Tue l メンデルスゾーン l コメント (0) トラックバック (0) l top

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