★ ハイドン 交響曲第101番ニ長調 『時計』 ★
この101番は、先日の103番同様ザロモン交響曲の中の一曲だ。

【弊ブログご参照】
→ハイドン 交響曲第103番『太鼓連打』


この101番は、ザロモン交響曲第2期の3曲目に当たるシンフォニーで、『時計』というニックネームで日本でも親しまれており、ハイドンの中では演奏機会の多い方になる。
ハイドンの場合、ニックネームに捻りが足りないので、とかく軽く見られがちだが、この『時計』も第2楽章だけでなく全てに渡って古典シンフォニーの楽しさを感じさせてくれる素晴らしい音楽だ。

〇 交響曲のニックネーム 〇
ちなみに、ハイドンのシンフォニーのニックネームについてだが、以下の様にそのまんまという感じだ。

交響曲第6番 ニ長調『朝』
交響曲第7番 ハ長調『昼』
交響曲第8番 ト長調『夕』
交響曲第22番 変ホ長調『哲学者』
交響曲第31番 ニ長調『ホルン信号』
交響曲第38番 ハ長調『エコー』
交響曲第44番 ホ短調『悲しみ』
交響曲第55番 変ホ長調『校長先生』
交響曲第59番 イ長調『火事』
交響曲第60番 ハ長調『うかつ者』
交響曲第82番 ハ長調『熊』
交響曲第83番 ト短調『めんどり』
交響曲第88番 ト長調『V字』

わざと、気軽に面白いものだけをピックアップしたが、捻りが足りないのを納得頂けたと思う。
朝昼夕って、おいおいって思いませんか?
逆に「うかつ者」とか「V字」なんて、一体どんなシンフォニーじゃ??と思うのではないか。
機会があれば、このブログでもご紹介したいと思っている。

〇 『時計』 〇
さて、この『時計』だが、ニックネームの由来は第2楽章の「トゥ、トゥ、トゥ、トゥ」という規則正しい時計のようなテンポとリズムからきている。

♪「時計」第2楽章

ただ、この第2楽章のテンポについては、聞く方も実際の時計の1秒ずつ刻むテンポに拘らない方が良いと思う。
古今の名指揮者の演奏を聴いても、実に様々である。
クレンペラーは少し遅めだったし、ドラティは逆に少し速めだ。
アダム・フィッシャーは標準的だろう、時計より少し速いくらいだ。
この辺りも、CDを聞く際のお楽しみになっている。

〇 第1楽章 序奏がミソ 〇
第1楽章の序奏はゆっくりとした音型で、ニ短調で始まる。
この序奏、なかなかミステリアスな雰囲気があって好きだ。
私はもう少し序奏を発展させて貰えたら嬉しいくらいだ。
ちょっとベートーヴェンの第4交響曲を想起させる。
【ベートーヴェン 交響曲第4番】
交響曲第4番

すると、意外なほどすんなりとニ長調の主部に入るのだが、この主部と序奏には音型的に関連がある。
きっちりと序奏がソナタ形式の主部を導いている当たり、さすがシンフォニーの父だ。

〇 第3楽章 典雅でスケール感のあるメヌエット 〇
第2楽章は良く知られた『時計』のメロディによる変奏曲だが、この第3楽章はモーツァルトに匹敵する立派なメヌエットだ。
私はメヌエットと言えば、やはりモーツァルトを思い出すし、モーツァルトこそが古今東西最高のメヌエット作家だと思っているが、このハイドンのメヌエットはそれに負けない。
2部形式のメヌエット部はとても堂々としている。
トリオはオスティナート・バス的な反復音型の上に管楽器が優雅な音楽を乗せる。
バロック調と言えるのだろう、とても典雅な趣だ。

〇 第4楽章 軽快な終曲 〇
終曲は単一主題を展開するようなソナタ形式。
最後に第1主題が強調されるような形で、ロンド・ソナタ形式ともとれるか。
ハイドンはかなり自由に書いているし、対位法的な処理が巧みだ。
第2主題が少しはっきりしない為に、第1主題の印象の強い楽章になっている。

<今日の一枚>
今日は全曲集を録音した先駆者であるドラティに敬意を表して、ドラティでいきたい。
このブタペスト生まれの指揮者は、ストラヴィンスキーやコダーイの演奏で特に名高いが、このフィルハーモニア・フンガリカを率いて録音したハイドン全曲集は歴史的快挙とまで言われている。
今日はその全集からの盤だ。
■ハイドン:交響曲第94番「驚愕」/第100番「軍隊」/第101番「時計」
 アンタル・ドラティ指揮 フィルハーモニア・フンガリカ

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<推薦盤1>
これは、中庸というかあまりアザトイ真似をしていない安心できるハイドンを聞きたい方には絶対お薦めだ。
テイトなのだが、小さ目の編成で落ち着いてハイドンに向かい合った、いつまでも聞ける飽きのこない盤。
94番『驚愕』とのカップリングだ。
■ハイドン:交響曲第94&101
 ジェフリー・テイト指揮 イギリス室内管弦楽団

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2013.07.08 Mon l ハイドン l コメント (4) トラックバック (0) l top

コメント

味わい深い曲が沢山ありますね。
2014.01.02 Thu l ちくわ少納言. URL l 編集
はじめまして!
ちくわ少納言 さま

はじまして。(^^)
コメントありがとうございます。
良い音楽を聴けるのは幸せですよね。
これからも宜しくお願い致します。
2014.01.03 Fri l ★赤影★. URL l 編集
No title
先日ブログにアップしたように最近またハイドンのソナタの練習頑張ってますが、
私、実はこの交響曲のメヌエットが大好きなんですよ。第2楽章だけが飛び抜けて有名ですが3楽章ももっと有名になってもいいのにと思います。
ピアノソロ用の編曲バージョンを時々弾いて楽しんでます。
2015.10.19 Mon l 私はタワシ. URL l 編集
タワシさん^^
コメントありがとうございます。(^。^)
タワシさん、ハイドン頑張っておられますね。
先日の変ホ長調のソナタは、その出来栄えの素晴らしさに喝采しました。(*^。^*)
ハイドンは難しい顔をして取り組むより、さらっと弾いてしまう方がハイドンらしさが出ますね。

そうそう、時計は私もこのメヌエットが好きです。
ネイミングから第2楽章ばかりが突出して人気ですが、このメヌエットは構成も雄大でしかも典雅な響きがとても好きです。
タワシさん!!
そのピアノ編曲バージョンのタワシさんの演奏、どこかでサワリだけでもUPして下さいませ!!m(_._)m
2015.10.20 Tue l ★赤影★. URL l 編集

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