★ ベートーヴェン 交響曲第4番 ★
今日は、ベートーヴェンの交響曲の中で、近年一番良く聞く1番、2番、4番の中から4番でいこう!
交響曲第4番変ロ長調 作品60 は、ベートーヴェンの9つの交響曲の中で、オーケストラの規模としては最も小さい(基本2管編成でフルートが一本少ない)のだが、シンプルだからこそベートーヴェンのオーケストレーションの巧みさや、主題の処理の鮮やかさが目立つ傑作だと思っている。

さて、この曲には良く使われるフレーズがある。
曰く:
かのロベルト・シューマンがこの曲を評して『北欧神話の二人の巨人に挟まれたギリシアの乙女』と言った。
二人の巨人とは、第3番「英雄」と第5番(日本では良く「運命」と言われる)のこと。

というものである。
う~ん、なかなか尤もらしい評論だ。
これについて博識な先輩にお伺いをたてたことがあるのだが、その方によるとシューマンがどこでそのような事を言っているのか知らないが、彼の音楽評論集にこの第4番を評して「ギリシャ的」という言葉は見つけたことがあるとのことだった。
そこで、その「ギリシャ的」という解釈について私なりに考えてみたことがある。
ギリシャ的であると言う第一は、やはりこの序奏にあるのではないだろうか。

〇 序奏 〇
第一楽章は変ロ長調なのだが、この長い序奏は変ロ音から始まって、変ニ長調で不気味に進行していくが、今にも変ロ短調に堕ちそうだ。
一歩一歩暗い森の中を手探りで進んでいくような音楽が続く。
調性も不安定で、管の巧みな使い方と弦のピチカートが不安な足取りを表すかのようだ。
その後変イ長調で進むのだが、下属調にも聞こえたりする不安定さは相変わらず残る。
この序奏の部分が、神秘的でいかにも古代ギリシャを思わせないだろうか。
しかも、和音進行は極めて古典的と言っていいドミナント指向なのだ。
私は、シューマンのギリシャ的という指摘の一番嵌る箇所はここだと思っている。
しかも、このシンフォニーの中でこの箇所が一番好きで、色々なCDのこの部分だけを何度も聞いたりするのが大好きだ。
ここは、私としては演奏にも拘りがあって、茫漠とした不安と何が起こるか分からない不確定さがどうしても欲しい。
このシンフォニーの醍醐味が正にこの部分に集約している。

〇 第2楽章はクラリネットの美音 〇
第2楽章Adagio は弦で始まるが、クラリネットが主役で、恐らくハイドンやモーツァルトの時代にはまだ新しかったこの楽器をベートーヴェンは意識的に勉強して活用している。
ここはほんとにどこまで行くのか分からない程終わりのない旋律が続く・・。
これもこの頃では珍しいことだと思う。

〇 指定は無くてもスケルツォ 〇
第3楽章はスケルツォだ。(特に指定はない)
この楽章は速度が速いのであまり気づかないが、モーツァルトも試みた、拍子を敢えて暈す様な曲創りをしていると思う。
舞曲的ではあるが、2拍子っぽかったりもする。

〇 この曲の特徴 止まらない音楽 〇
第3楽章から第4楽章は、勢い付いた音楽は滞ることを知らない。
一気に駆け抜ける爽快さが身上だ。
だから当然、私としては第1楽章で模索していた心象的ターゲットをここで追い詰めて手にするような演奏が欲しいと思うのだ。
ここに迷いがあってはならない。


【ベートーヴェン 交響曲第5番『運命』】
交響曲第5番『運命』
【ベートーヴェン 交響曲第3番『英雄』】
交響曲第3番『英雄』
【ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番】
ピアノ協奏曲第4番



<今日の一枚>
さて、そのようにベートーヴェンの工夫と創意に溢れたこのシンフォニーを誰で聴くか?
クライバーのライブ盤は素晴らしい!
フルトヴェングラーのやはりライブ盤、も序奏の素晴らしさが特筆ものだ。
しかし、今日はカラヤンで行く。(60年代全集盤)
音がいい! それに2番とカップリングされている(好みというだけ)、ベルリン・フィルがうまい!いかにもドイツの音。若い頃の覇気溢れるカラヤンが蘇る。
■ベートーヴェン:交響曲全集
 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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<推薦盤1>
この第4シンフォニーの推薦盤ということになると、やはりクライバーのライブ盤を避けることは出来ない。
序奏の神秘性と、それに続く連続性のある音楽での躍動感はクライバーならではのものだと思う。
■ベートーヴェン:交響曲第4番 [Import]
 カルロス・クライバー指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団

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<推薦盤2>
もう一枚となると迷う。
フルトヴェングラーもいい、ベームもいい・・。
ブルーノ・ワルターが端正な音楽を聞かせてくれる。
モーツァルトでも抜群の解釈を温かい視線で私たちに与えてくれたワルターが、この曲でとても良い。
カップリングがハ短調シンフォニーというのも良い。こちらも必聴ものなのだ。
■ベートーヴェン : 交響曲第4番&第5番 「運命」
 ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団

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2013.06.23 Sun l ベートーヴェン l コメント (0) トラックバック (0) l top

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