★ チャイコフスキー 交響曲第5番 ★
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー、ロシアが生んだ世界的大作曲家だ。
日本でもベートーヴェン同様、恐らく知らない人はいないと言っていいだろう。
ロシアの民族音楽要素と西洋音楽の幸せな合体とも言える、ロマン派を代表する作曲家でもある。
白鳥の湖等のバレエ音楽が特に世界中で有名で愛されているが、今日は交響曲で行こう。

〇 交響曲第5番ホ短調作品64 〇
チャイコフスキーは番号付き交響曲を全部で6曲残している。
最も有名なのは第6番『悲愴』だろう。
しかし、悲愴はあまりに痛切な悲しみを誘発する音楽で、心して聞かなければならない音楽だと思っているので、今日は華麗な第5番。

〇 運命の動機 〇
この曲の第1楽章冒頭のクラリネットが奏する、哀切の籠ったメロディは「運命の動機」と言われている。
この動機が、このシンフォニー全体を支配している。
だから、この冒頭のクラリネットは聞きどころだ。
この長~い序奏の後に、民族色の強い第1主題が管によって奏でられる。
この後が、正にチャイコフスキーの真骨頂、ドラマティックなオーケストレーションでどんどん盛り上がっていく。
旋律の優美さとドラマティックなオーケストレーションでは、私はチャイコフスキーとプッチーニが2代巨頭だと思っている。
う~ん、チャイコフスキーだって感じ。

〇 第2楽章の美しいホルン 〇
第2楽章は3部形式だが、ホルンによる長閑な主題が印象的だ。
その雰囲気をまるで打ち消すかのように「運命の動機」が使われている。
ひと時の平穏な生活にも、必然的に運命はのしかかってくる、というような語りに聞こえる。

〇 第3楽章はワルツ 〇
このシンフォニーの大きな特徴として挙げられるのが、通常置かれているスケルツォ楽章が無く、代わりにメランコリックなワルツが置かれていることだ。
いかにもチャイコフスキーらしい美しくも儚さを感じるワルツ。
この楽章の後半でも、「運命の動機」が顔を見せる。

〇 壮大でエネルギッシュな終曲 〇
第1楽章で提示されたホ短調の「運命の動機」が、第4楽章冒頭では長調に転調されて現れる。
辛く暗い「運命」を克服した人だけが、明るく力強い「運命」に到達する、と言っているかのように感じる。
終曲はそのように、自信に満ちたエネルギッシュな展開を繰り広げる。
壮大な音楽だ。


【チャイコフスキー 交響曲第4番】
交響曲第4番
【チャイコフスキー 『白鳥の湖』】
『白鳥の湖』



<今日の一枚>
バーンスタインと彼の手兵ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏だ。
バーンスタインは作曲家としても一流であるからか、とかく主観的だとか大袈裟だとか言われるが、ことチャイコフスキーのような濃いめの音楽には良い嵌り方をするように思う。
お買い得な廉価版でもあったので購入した盤だ。結構気に入っている。 
■チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調作品64
レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック

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<お奨めのCD>
この曲にはカラヤンがいい!
こういうドラマティックな曲にかけてはカラヤンの右に出る者はいないと言ってもいい。



もう一枚選ぶとするなら、やはりロシアの本家からだろう。
ムラビンスキーとレニングラード・フィルによる名盤がある。
実に格調高く、少し変な表現だが真面目な演奏。
恐らくロシアの人はこれを選ぶだろうという歴史的名盤。
こちらは4番~6番までが収録されていて、お得!


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2013.05.08 Wed l チャイコフスキー l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

チャイコはいいですよねー
ご指摘の通り、チャイ5の醍醐味は第二楽章のホルンだと思います。ソリストは大変でしょうけど・・第四楽章の何か吹っ切れたような感じの決然とした主題も大好きですし、ラストはいかにも大団円という感じもします。ちなみにバーンスタイン指揮でこの曲とのカップリングの幻想序曲「ロメオとジュリエット」も情緒たっぷりの演奏でお気に入りです。
2013.09.01 Sun l ぬくぬく先生 . URL l 編集
Re: チャイコはいいですよねー
コメントありがとうございます!
そうですよね。チャイコフスキーは、旋律が美しく、とてもドラマティック。
ご案内のバーンスタイン指揮の「ロメオとジュリエット」は、私が紹介した廉価盤ではなくて1988,89年録音の豪華盤のカップリング曲ですね。
仰る通り、バーンスタイン晩年の円熟した、しかも情緒溢れる演奏ですね。
私も、こういう曲はバーンスタインが良く嵌ると思います。
2013.09.02 Mon l ★赤影★. URL l 編集

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