★ ブラームス ヴァイオリンソナタ第2番 イ長調 ★
このところブラームスを聞いている。
私の場合、この作曲家を聴き始めると、暫く嵌るという傾向がある。
ブラームスの3曲のヴァイオリンソナタはどれも大好きなのだが、この季節敢えて聞き分けるとしたら、例えば第1番は雨の日に、第2番は抜けるような秋の青空の下で、そして第3番は秋の夜長の読書のお供に。
本日は爽やかな晴天でもあり、やはり第2番だろう。
○ ヴァイオリンソナタ第2番 イ長調作品100 ○
このイ長調のソナタは、とても明るく、ブラームスのロマンティシズムが快活に現れた作品だと思う。
だから、秋の清々しい青空はお似合いだ。
第一番のト長調のソナタは、『雨の歌』の副題も与えられているが、これは自身の同名の歌曲からモティーフを引用しているからであり、第3番も含めて、ブラームスのヴァイオリンソナタは「歌曲」に聞こえてならない。
ブラームスのヴァイオリンソナタは、「歌」であり、そして密やかな弱音にこそ比類ない美しさが存在する。
私は演奏を選ぶ場合も、かそけき歌を聴く積もりでチョイスする。
あまり技巧を誇示する曲ではないため、むしろ演奏家の解釈の部分が問われる作品だと思う。
1.第1楽章(Allegro amabile)
イ長調。ピアノの主和音から導かれ、ヴァイオリンが呼応しながら第1主題を奏でる。
流れるようにピアノに第2主題が現れて、途中時折短調に変貌しながら展開していくソナタ形式。
この3/4拍子の主題は正に愛らしく(amabile)、この楽章全体を甘く包んでいるようだ。
2.第2楽章(Andante tranquillo-vivace)
ヘ長調。シンプルなロンド形式。
Andante主題は、第1楽章の主題と類似しているように思える。
前楽章から穏やかに入るこの楽章は、短調に転じるリズミックなvivace部分とのコントラストが面白い。
3.第3楽章(Allegretto grazioso)
イ長調のロンド形式。
初めにヴァイオリンの低音に印象的なブラームスらしい旋律が現れる。
ここは艶のある音が必須な部分だ。
正に「歌」うヴァイオリンであり、ピアノは和声での応答に傾く。
<今日の一枚>
さて、今日はこのロマンティックなブラームスのソナタを誰で聴こうか。
女王アンネ=ゾフィー・ムターに登場願おう。
かつてカラヤンに愛された天才少女もすっかり完成されたヴァイオリニストになった。
このムターのブラームスは、折り目正しいシェリングとは異なり、オイストラッフのように愛情に満ち、叙情的で、この曲の持つロマン性を艶やかに歌っている。
このCDは、ブラームスの魅力的なヴァイオリンソナタの全てを楽しむことが出来る。
■ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ(全曲)
アンネ=ゾフィー・ムター(Vn.)、ランバート・オーキス(Pf.)

このところブラームスを聞いている。
私の場合、この作曲家を聴き始めると、暫く嵌るという傾向がある。
ブラームスの3曲のヴァイオリンソナタはどれも大好きなのだが、この季節敢えて聞き分けるとしたら、例えば第1番は雨の日に、第2番は抜けるような秋の青空の下で、そして第3番は秋の夜長の読書のお供に。
本日は爽やかな晴天でもあり、やはり第2番だろう。
○ ヴァイオリンソナタ第2番 イ長調作品100 ○
このイ長調のソナタは、とても明るく、ブラームスのロマンティシズムが快活に現れた作品だと思う。
だから、秋の清々しい青空はお似合いだ。
第一番のト長調のソナタは、『雨の歌』の副題も与えられているが、これは自身の同名の歌曲からモティーフを引用しているからであり、第3番も含めて、ブラームスのヴァイオリンソナタは「歌曲」に聞こえてならない。
ブラームスのヴァイオリンソナタは、「歌」であり、そして密やかな弱音にこそ比類ない美しさが存在する。
私は演奏を選ぶ場合も、かそけき歌を聴く積もりでチョイスする。
あまり技巧を誇示する曲ではないため、むしろ演奏家の解釈の部分が問われる作品だと思う。
1.第1楽章(Allegro amabile)
イ長調。ピアノの主和音から導かれ、ヴァイオリンが呼応しながら第1主題を奏でる。
流れるようにピアノに第2主題が現れて、途中時折短調に変貌しながら展開していくソナタ形式。
この3/4拍子の主題は正に愛らしく(amabile)、この楽章全体を甘く包んでいるようだ。
2.第2楽章(Andante tranquillo-vivace)
ヘ長調。シンプルなロンド形式。
Andante主題は、第1楽章の主題と類似しているように思える。
前楽章から穏やかに入るこの楽章は、短調に転じるリズミックなvivace部分とのコントラストが面白い。
3.第3楽章(Allegretto grazioso)
イ長調のロンド形式。
初めにヴァイオリンの低音に印象的なブラームスらしい旋律が現れる。
ここは艶のある音が必須な部分だ。
正に「歌」うヴァイオリンであり、ピアノは和声での応答に傾く。
<今日の一枚>
さて、今日はこのロマンティックなブラームスのソナタを誰で聴こうか。
女王アンネ=ゾフィー・ムターに登場願おう。
かつてカラヤンに愛された天才少女もすっかり完成されたヴァイオリニストになった。
このムターのブラームスは、折り目正しいシェリングとは異なり、オイストラッフのように愛情に満ち、叙情的で、この曲の持つロマン性を艶やかに歌っている。
このCDは、ブラームスの魅力的なヴァイオリンソナタの全てを楽しむことが出来る。
■ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ(全曲)
アンネ=ゾフィー・ムター(Vn.)、ランバート・オーキス(Pf.)

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一番知られているのは表題のある第1番であり、
最高傑作はやはり重厚で緊張に満ちた第3番だと思いますが、
第2番の暖かくたおやかな、歌に満ちた幸福感はまた格別ですね。
私はDGのデュメイ/ピレシュ盤を愛聴しています。
お久しぶりでございます。^^
仰る通りで、ブラームスの3つのヴァイオリンソナタの中で、今回取り上げたイ長調のソナタは、恐らく演奏会にかかる頻度も数も一番低いのかもしれません。
「歌に満ちた幸福感」、そうですね、このソナタの一番の印象ですね。^^
ですから、私は好きなんです。(^^)
デュメイ/ピレシュ盤ですか、いいですねぇ。^^
この名人のコンビはとても室内楽的な演奏だったと記憶しております。
ブラームスの作曲時の原点に還ったような素晴らしい演奏だと思います。
ムターのヴァイオリンも勿論素敵ですが、オーキスのピアノにいつも感動してしまうんですよねー。この2人のコンビはもう25年以上かなぁ?!
個人的には2人のシューベルトの幻想曲がお気に入りです(*´▽`*)
みっち
みっちさんも、ブラームスお好きですか?
そうですね、オーキスのサポートはとても素晴らしいですね。
ムターとのコンビはほんとに長いですねぇぇ。
息もぴったりです。
なるほど、シューベルトですか。
シューベルトのヴァイオリンとピアノのための幻想曲は、出だしの宗教的な入り方がとても印象的な、シューベルトにしか書けないファンタジーですね。
私はこの二人のコンビの演奏は聞いたことがないので、是非聞いてみたいと思います。^^