★ モーツァルト 交響曲第25番 ト短調K.183 ★
今日は爽やかにモーツァルトから始めることにした。
ディヴェルティメントでも良かったのだが、25番に手が伸びた。
Sturm und Drang(独)、日本語では「疾風怒濤」と訳されているが、これはゲーテの『若きウェルテルの悩み』などの作品に代表される、18世紀の文学運動のことだ。
ウィーンでこの流れを肌で感じたモーツァルトが作曲した曲がこの25番ト短調のシンフォニーだ。
当時まだ若干17歳の青年は、後に創作することになる弦楽五重奏曲第4番ト短調K.516やレクイエムニ短調K.626、そしてピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466、交響曲第40番ト短調K.550などの短調で作られた傑作への兆しを、この小気味の良いシンフォニーで音楽史に刻み付けているのだ。
〇 映画「アマデウス」 〇
大分前の映画になるが、アカデミー賞を8部門で受賞した映画「アマデウス」で冒頭サリエリの自殺未遂?のシーンで、この曲の第1楽章が使われていた。
ちなみにこの映画のお陰で、アントニオ・サリエリさんはすっかり悪者になってしまった感がある。
〇 印象的な第1楽章 〇
この曲では、まず第1楽章Allegro con brio のシンコペーションを巧みに使った、何か急き立ててくるような緊張感の溢れるメロディが印象的だ。
このメロディが映画「アマデウス」でも効果的に使われており、一度聴くとなかなか忘れられない旋律だ。
このシンフォニーでは、冒頭のこの部分が正に「疾風怒濤」に相応しい箇所であり、演奏でもここをどう表現するかが大変重要になってくる。
〇 型通りに進む 〇
そして、第2楽章アンダンテ、第3楽章メヌエット、第4楽章アレグロ、とある意味型通りに曲は展開していき、第3楽章以外は全てソナタ形式で、調性は第2楽章(下属調平行調の変ホ長調)以外は全てト短調。
モーツァルトの中でも全体として、まだこじんまりした印象の曲ではあるが、私は愛らしいアンダンテもきりっとしたメヌエットもとても好きだ。
特にこのメヌエットはモーツァルトの短調の音楽らしく、情緒と美しさをもっており、ト長調の中間部との対比が素晴らしい。
〇 編成 〇
オーケストラの編成は、オーボエ2、ファゴット2、ホルン4、弦五部という小編成で、ディヴェルティメント風の弦が中心のアンサンブルになっている。
短調ということもあり、ホルンは4本編成で工夫している。
<今日の一枚>
今日は映画アマデウスでも指揮法の指導をしたという、サー・ネヴィル・マリナーでいきたい。
第1楽章は「疾風怒涛」というほど突っ走らないのだが、とてもバランスの良い緊迫感を作っていると思う。
さすが、モーツァルトの第1人者である。
■モーツァルト : 交響曲第25&29番、「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」
サー・ネヴィル・マリナー指揮 アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

<推薦盤1>
ブルーノ・ワルターがウィーン・フィルを振った名演が遺されている。
この25番は1956年ザルツブルク音楽祭のライブ盤だ。
ライヴならではの臨場感と、正に「疾風怒濤」のテンポで飛ばすワルターの入魂の演奏は一聴の価値がある。
■モーツァルト:交響曲第25番&第40番
ブルーノ・ワルター指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

<推薦盤2>
古楽器による爽やかな演奏も捨て難い。
ピリオド楽器による独特の軽みと風情を愛している方にはお勧めできる演奏だと思う。
■モーツァルト : 交響曲第25番、第29番&第33番
トン・コープマン指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団

今日は爽やかにモーツァルトから始めることにした。
ディヴェルティメントでも良かったのだが、25番に手が伸びた。
Sturm und Drang(独)、日本語では「疾風怒濤」と訳されているが、これはゲーテの『若きウェルテルの悩み』などの作品に代表される、18世紀の文学運動のことだ。
ウィーンでこの流れを肌で感じたモーツァルトが作曲した曲がこの25番ト短調のシンフォニーだ。
当時まだ若干17歳の青年は、後に創作することになる弦楽五重奏曲第4番ト短調K.516やレクイエムニ短調K.626、そしてピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466、交響曲第40番ト短調K.550などの短調で作られた傑作への兆しを、この小気味の良いシンフォニーで音楽史に刻み付けているのだ。
〇 映画「アマデウス」 〇
大分前の映画になるが、アカデミー賞を8部門で受賞した映画「アマデウス」で冒頭サリエリの自殺未遂?のシーンで、この曲の第1楽章が使われていた。
ちなみにこの映画のお陰で、アントニオ・サリエリさんはすっかり悪者になってしまった感がある。
〇 印象的な第1楽章 〇
この曲では、まず第1楽章Allegro con brio のシンコペーションを巧みに使った、何か急き立ててくるような緊張感の溢れるメロディが印象的だ。
このメロディが映画「アマデウス」でも効果的に使われており、一度聴くとなかなか忘れられない旋律だ。
このシンフォニーでは、冒頭のこの部分が正に「疾風怒濤」に相応しい箇所であり、演奏でもここをどう表現するかが大変重要になってくる。
〇 型通りに進む 〇
そして、第2楽章アンダンテ、第3楽章メヌエット、第4楽章アレグロ、とある意味型通りに曲は展開していき、第3楽章以外は全てソナタ形式で、調性は第2楽章(下属調平行調の変ホ長調)以外は全てト短調。
モーツァルトの中でも全体として、まだこじんまりした印象の曲ではあるが、私は愛らしいアンダンテもきりっとしたメヌエットもとても好きだ。
特にこのメヌエットはモーツァルトの短調の音楽らしく、情緒と美しさをもっており、ト長調の中間部との対比が素晴らしい。
〇 編成 〇
オーケストラの編成は、オーボエ2、ファゴット2、ホルン4、弦五部という小編成で、ディヴェルティメント風の弦が中心のアンサンブルになっている。
短調ということもあり、ホルンは4本編成で工夫している。
<今日の一枚>
今日は映画アマデウスでも指揮法の指導をしたという、サー・ネヴィル・マリナーでいきたい。
第1楽章は「疾風怒涛」というほど突っ走らないのだが、とてもバランスの良い緊迫感を作っていると思う。
さすが、モーツァルトの第1人者である。
■モーツァルト : 交響曲第25&29番、「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」
サー・ネヴィル・マリナー指揮 アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

<推薦盤1>
ブルーノ・ワルターがウィーン・フィルを振った名演が遺されている。
この25番は1956年ザルツブルク音楽祭のライブ盤だ。
ライヴならではの臨場感と、正に「疾風怒濤」のテンポで飛ばすワルターの入魂の演奏は一聴の価値がある。
■モーツァルト:交響曲第25番&第40番
ブルーノ・ワルター指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

<推薦盤2>
古楽器による爽やかな演奏も捨て難い。
ピリオド楽器による独特の軽みと風情を愛している方にはお勧めできる演奏だと思う。
■モーツァルト : 交響曲第25番、第29番&第33番
トン・コープマン指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団

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