★ プロコフィエフ ピアノ協奏曲第1番 ★

このピアノコンチェルト(第1番変ニ長調作品10)は、プロコフィエフがまだ21歳の頃の1912年に完成されている。
私の記憶ではプロコフィエフ自身が、自分の成熟した作品の最初のものであるようなことを言っていたと思う。
確かにそれ以前のピアノソナタなどに比べると、はっきりプロコフィエフの特徴が出ていると思う。
半音階的なメロディーや無調の趣、ピアノに求められる高度な技術と打楽器的な扱いの処理(私はここを間違うと、とても荒々しい演奏になってしまって頂けないと感じている)、ノリノリのリズムなどなど、このロシアの作曲家は聴くほうも結構好みがはっきりしてくる。
私も子供の頃は正直に言ってあまり好んで聴くことはなかった。
だが、少し聞き込んでくると不思議に嵌る作曲家なのだ。
もしかすると、大人向けの作曲家なのかも知れない。

〇 第3番も良いが 〇
さてこの作品10のコンチェルトは、3楽章構成なのだが、殆ど通しで演奏される、全体でも15分前後の短い曲である。
プロコフィエフの5曲のピアノコンチェルトの中で最も演奏機会の多い曲は、恐らくピアノ協奏曲第3番 ハ長調 作品26 だろう。
だが、この短いコンチェルトはちょっとした時間にプロコフィエフのあの癖になる魅力に浸りたいときにはうってつけの曲なのだ。

曲の冒頭は、管による3つの和音から始まって、ピアノとオーケストラがいきなり主題を奏し始める。
一気に聞くものを自分の世界に引っ張ってしまう、プロコフィエフの天才だ。
この主題は終楽章にも現れて、全体の統一性を保っている。
少し煽るようなこのメロディは、非常に印象的で輝かしい主題だ。
ここは Allegro brioso の指定で、プロコフィエフらしく力強い始まりだ。
そして、ピアノによる素早いパッセージが続いて、オーケストラの呼応がとても小気味良い。

小休止の後、Andante assai の中間楽章は、嬰ト短調での非常に幻想的な始まりだ。
ピアノ独奏もゆったりと入ってくる。
夢見るような音色が染み渡ってくる。

そのまま、終楽章である Allegro scherzando へと進んでいく。
ここは実に派手で、どんどん盛り上がっていく、とても興奮する楽章だ。
ピアニストの演奏する姿を見ると、さらにプロコフィエフのアクロバティックな要求技術が解って興味深い。
ピアノはオクターヴの連打の嵐で、コーダでの緊張感と興奮度はすさまじいものがある。


<今日の一枚>
今日は秘蔵のトラーゼ&ゲルギエフで行きたい。
これは2枚組みの、プロコフィエフのピアノコンチェルト全曲集だ。
第2番のコンチェルトは特筆ものだが、今日聞く1番も、第1印象=新鮮 だ。
トラーゼの独奏ピアノの激しい揺れにもゲルギエフはぴったり寄り添っている。
そして全曲、慈しみと鮮烈を併せ持った演奏だと思う。
私はこの演奏でプロコフィエフが好きになった。
■プロコフィエフ:P協奏曲全集
 アレキサンドル・トラーゼ(Pf.)ワレリー・ゲルギエフ指揮 キーロフ歌劇場管弦楽団

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<推薦盤1>
現在入手可能なCDでプロコフィエフの1番の名演となると、希少になる。
こういう曲を弾かせたらピカ1のアルゲリッチがやはり素晴らしい。
アルゲリッチが、そのヴィルトゥオーソ振りを遺憾なく発揮して、元旦那様のデュトワがサポートする貴重な一枚。
アルゲリッチにとってプロコフィエフの1番はこれが最初の録音になるようで、得意の3番及びバルトークとのカップリングになっている。
バルトークも必聴。
■プロコフィエフ、バルトーク / ピアノ協奏曲集
 マルタ・アルゲリッチ(Pf.) シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団

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2013.10.02 Wed l プロコフィエフ l コメント (8) トラックバック (0) l top