★ サン=サーンス 交響曲第3番『オルガン付き』 ★ 
今日はフランスの近代音楽の礎を作ったと言って良い、シャルル・カミーユ・サン=サーンスだ。
この作曲家は本当に多才で、作曲家でもありオルガニストでもありピアニストでもあり、いやいやそれどころか文学者・哲学者・天文学者でもあるのだ。
正に19世紀から20世紀を代表する、芸術家(学者)のスーパーヒーローなのだ。
残した作品も極めて多岐に渡っており、交響曲だけではなくオペラ・管弦楽曲・室内楽曲・オルガン曲・ピアノ曲・協奏曲・歌曲・バレエ音楽・・・どれも魅力的だ。

その中でも、私が一番好きな曲がこれだ、交響曲第3番『オルガン付き』。
この曲を私は中学生の頃からとても愛聴してきた。
これは単なるオーケストラによるシンフォニーでは無くて、オルガン曲でもあり、ピアノ協奏曲的側面も持ち、宗教曲的な色彩も持っている。
サン=サーンス自身が言っているように、彼はこの曲に己の全てを注ぎ込んだ。
ピアノの煌びやかな輝き、オルガンの荘厳な響き、オーケストラの重厚な和声、それらが極めて巧みなオーケストレーションによって奥行きのある音の宇宙を創造する。
正に音楽職人・サン=サーンスの全てがここにある。

〇 音楽の精神性? 〇
私はこの曲を聞くたびに思うことがある。
「ああ、この重厚な響きはなんだろう。ドイツの田舎者(失礼)ブラームスにはこの職人技はないなぁ。」
と。
ただ、私はこの曲に所謂精神性(音楽の精神性って何だ?)のようなものはあまり感じない。
ブラームスやベートーヴェンの音楽が内包する、人の「苦悩」や「喜び」、恋する者の「切ない想い」、言ってみれば人の煩悩のようなものはここには無いように思う。
ひたすらテクニシャンと断じては一面的過ぎるが、第9の合唱を聞いた時の、あの思わず歓喜を歌いだしたくなる感動は感じない。
しかし音楽として流麗であり迫力満点だ、しかも極めて上品。
これも大切。

〇 独特の2楽章構成 〇
このシンフォニーは、一般的な4楽章構成にはなっていない。
2楽章構成なのだが、それぞれが第1部・第2部と分かれており、実質的には4楽章構成に近い形になっている。
そして、曲全体は循環形式によって同一主題が変化・発展することによって統一感と堅牢な構築美を醸し出している。

〇 オルガン 〇
しかし、第1楽章第2部の冒頭からオルガンが主和音を奏で始めると、この腹に響く音に酔いしれる。
実にいいものではないか。
オルガンの主和音を背景に弦がまた美しい主題を朗々と奏でる。
サン=サンーンスの全てが注ぎ込まれた最も「美しい」瞬間だ。


【フランク 交響曲ニ短調】
交響曲ニ短調
【グリーグ ピアノ協奏曲イ短調】
ピアノ協奏曲イ短調


<今日の一枚>
さて、今日はフランスの音が聞きたくてこの曲を選んだのだから、ジャン・マルティノンだ。
この上品な曲を、さらに上品に聞かせてくれるこの盤はとても聴きやすく、美しい。
■サン=サーンス:交響曲第3番(オルガン付き)  フランク:交響曲ニ短調
 ジャン・マルティノン指揮 フランス国立放送管弦楽団 アラン(マリー=クレール)(オルガン)
このCDは廉価版で大変お得だ!

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【SACDを再生できる方にはハイブリッドの高音質盤もある】
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<推薦盤1>
マルティノンの音楽は極めてフランス的だと言えるが、すごいCDもある。
このチョン・ミョンフンという韓国の指揮者がフランスのオーケストラを率いて、こんなに骨太にしかもエレガントに尚且つ意外な事にフランス的な音を引き出すとは。
これには、正直驚いた。
■サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付」、他 (メシアン「昇天」)
 チョン・ミョンフン指揮 パリ・バスティーユ管弦楽団, マッテス(マイケル)(オルガン)

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2013.05.29 Wed l サンサーンス l コメント (0) トラックバック (0) l top